もののけ姫【Princess Mononoke】・ジブリ

Princess Mononoke

ジブリの長編アニメ作品である「もののけ姫」は一言で説明することが難しい作品です。

善対悪のような見ていてわかりやすい構造ではなく三つ巴などそれぞれの正義によって争いがおきています。

これは今までのアニメとは異なる解釈を求め、宮崎監督は「解決不能な問題ですよね。

今までの映画は、解決可能な小課題を作って、取り合えず今日はそれを超えたと、それをひとつのセオリーにしてきたんですけどね。

それが映画の枠内だと。それでやると、現代で僕らがぶつかっている問題とは拮抗しないという結論が出たんじゃないかなぁ」と語っている。

もののけ姫は税金対策として作られた

当時のジブリスタジオは他の作品から得られるグッズや印税がたくさん入ることによって多額の税金を納める必要が出ていました。

ただ、税金を納めるぐらいならお金をかけた作品を作ってみようか(経費をかける)。

そこで考えた結果。だったら映画を作ろう。ということでジブリ史上最高額とも噂される「もののけ姫」の制作が始まったといわれています。

これまでの宮崎監督の長編アニメのおよそ5万枚~7万枚の作画から制作されていましたが、このもののけ姫に至っては14万枚以上の作画から映画を作成しています。

その結果、以降の作品の『千と千尋の神隠し』(約11.2万枚)や『ハウルの動く城』(約14.8万枚)、『崖の上のポニョ』(約17万枚)もほぼ同規模かそれ以上の枚数であり、スタジオジブリの制作体制そのものを刷新する結果となりました。

その結果興行収入は約194億円。配給収入は約113億円(英語版の収入は除く)となりました。

ジブリ最後のセル画作品

Princess Mononoke

スタジオジブリ最後のセル画と絵の具を使った作品となりました。

この作品でもサンの顔に付いた血糊やデイダラボッチを3DCGで作った他画面の多重合成も行われ、製作スケジュールの追い込みでデジタル彩色も一部使用されていたが、以降のジブリ作品は線画をコンピュータに取り込み、デジタル彩色の手法を用いるフルデジタル処理で製作されるようになった。

また、タタリ神やデイダラボッチの動く触手も、3DCGのパーティクルによる流体シミュレーション機能を応用して制作されている。

ラストの植物が芽吹き再生していくシーンでも3DCGによる制作が行われており、こうした3DCG利用を積極的に利用した最初のジブリ作品となった。

もののけ姫のキャッチコピー

映画公開時のキャッチコピー「生きろ」は、糸井重里が考えたものです。

完成までには糸井と鈴木敏夫プロデューサーの間で激しいやり取りがあり、没になったコピー案は50本近くあった。

他の候補は「おそろしいか、愛しいか。」「だいじなものは、ありますか。」「おまえは、まぶしい。」「昔々は、今の今。」「死ぬのと、生きるの、どっちが好きだ。」「死ぬなっ。」などがあります。

シシ神様とは何だったのか

Princess Mononoke

もののけ姫作品中にでてくる「シシ神」とはいったい何者なのだろうか?

人間に肩入れするわけでもなく、他の神味方をするわけでもなく作品中では明言を避けており、その判断は見ている人に委ねています。

その容姿は、鹿、猫、ヤギ、イノシシ、カモシカ、犬、鳥などの特徴を掛け合わせたような姿をしています。

表情は人間に近いようにも思えます。

人間も含めた動物を司っていることを示しているのでしょう。

首には不老不死の力があると信じられていて、夜は半透明の体をしたデイダラボッチの姿になります。

生きろ。というメッセージについて

宮崎監督は作品にたいしての生きろということについて以下の様に語っています。

百億の人口がねぇ、二億になったって別に滅亡じゃないですからね。

そういう意味だったら、世界中の野獣は、もう滅亡、絶滅していますよね(笑)。

そうですよ。

元は百匹いたのに、今は二匹しかいないなんて生きもの一杯いますからね。

そういう目に、今度人類が遭うんでしょ、きっと。

でもそれは滅亡と違いますね。

僕等の運命ってのは、多分、チェルノブイリで、帰ってきた爺さんや婆さん達が、あそこでキノコ拾って食ったりね、その『汚染してるんだよ』って言いながら、やっぱり平気でジャガイモ食ってるようにして生きていくだんろうなっていうね…

まぁ、その位のことしか言えないですよね。

それでも結構楽しく生きようとするんじゃないかぁっていうね、どうも人間ってのは、その位のもんだぞって感じがね…

もののけ姫という作品を通しての若者へのメッセージ

現代の若者達は、自分は悪くないのに、何故か傷付けられていると感じている。

マイナスの磁場のようなものを抱えている。

その「心の空洞」に向かって「明るく元気に生きよう」「貧しさから抜け出して豊かになろう」と言っても通じない。

こうした絶望、閉塞感を大きな歴史認識の中で捉え、考え直すことで「不条理な運命の中で生きる」ことを模索し、提示していく事が若者へのメッセージであると語っています。

その後の物語

監督は、物語のその後について、「アシタカとサンは、その後も良い関係を続けていく」、「アシタカは引き裂かれ、傷だらけになりながらも、サンやタタラ場のために努力し、それを曲げずに生きていく人物である」と語っている