風の谷のナウシカ【Nausicaä of the Valley of the Wind】・ジブリ

Nausicaä of the Valley of the Wind

ジブリの前身であるトップクラフトが手掛けた長編アニメーションである風の谷のナウシカ。

元々は宮崎駿がアニメージュに発表したSF小説が元となっている。

その2巻分の内容の途中あたりで、映画化のために一時執筆を中止しできあがったのが映画版の風の谷のナウシカです。(2019年には歌舞伎化も行う予定です)

そのため映画版では原作とは多少異なる演出などで構成されています。

ここでは映画版のあらすじと、原作で語られていく謎について解説を行います。

映画版風の谷のナウシカのあらすじ

千年前の「火の七日間」と呼ばれる最終戦争により、巨大産業文明は崩壊し、錆とセラミック片におおわれた荒れた大地に「腐海(ふかい)」と呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の森に世界は覆われていた。

人類は生き残るが衰退し、腐海が放つ猛毒と、そこに棲む巨大な虫たちに脅かされていたが、辺境にある「風の谷」は、酸の海から吹く風によって森の毒から守られ、のどかな農耕生活を送っていた。

族長の娘であるナウシカは、住民から深く敬愛されており、人々から恐れられている腐海の虫とも心を通わせる優しい少女である。

ある夜、大国トルメキアの輸送機が風の谷に墜落する。

輸送機には、千年前に世界を焼き尽くしたという巨大人型兵器の「巨神兵(きょしんへい)」の胚が積まれていた。

トルメキア軍は撃墜されたと案じ、風の谷に向けて侵攻するが、ユパの説得により和解する。

しかしその成り行きで、風の谷の長を殺害してしまうのだった。

司令官である皇女クシャナは、巨神兵で腐海を焼き払うことを目論んでいた。

クシャナは、本国へ運ぶつもりだった巨神兵の輸送を諦め、未完成の巨神兵を風の谷で完成させることにする。

失意から捕虜となったナウシカらはトルメキアに護送される途中、突然現れた戦闘機の攻撃により大きな損害を受ける。

護衛機がその戦闘機を撃墜するものの、ナウシカが乗る輸送機も被弾し落下する。ナウシカは、クシャナとともに輸送機から脱出するが、腐海に不時着したナウシカらは、敵の戦闘機に乗っていた少年が虫に襲われていることに気づき、少年を助ける。

少年はトルメキアと敵対するペジテ市のアスベルだった。

風の谷にある巨神兵は、このペジテで発掘されたのちにトルメキアが奪ったものだった。

ペジテの仲間たちは、風の谷にある巨神兵を奪還するために王蟲の大群を風の谷に誘導し、風の谷のトルメキア軍を全滅させる計画を企てていた。

そのころ風の谷では、住民達がトルメキア軍に反旗を翻し、谷から離れた遺跡の中に立て篭もって膠着状態が続いていた。

そこに王蟲の群れが近づいているという知らせが入り、クシャナは巨神兵を未完成のまま目覚めさせ、王蟲を焼き払おうとするが、巨神兵はすぐに体が崩れて死に、王蟲の群れの暴走を止めることができなかった。

暴走する王蟲の群れの前方に、この暴走のきっかけとなった王蟲の幼生とともにナウシカが空から降り立つ。

ナウシカと幼生は王蟲に跳ね飛ばされてしまうが、間もなく王蟲の暴走が止まり、王蟲の群れはナウシカを囲むようにして動きを止める。

倒れているナウシカは死んでいるかのように見えたが、王蟲の触手がナウシカを包むとナウシカが立ち上がる。

その光景は、風の谷に古くから伝わる救世主伝説を具現するかのようであった。

全てが終った後、ナウシカはクシャナに歩み寄る。その後、王蟲の群れとトルメキア軍は風の谷から去り、風の谷には平和な生活が戻る。

原作で語られていくナウシカの世界の構造

Nausicaä of the Valley of the Wind

原作と映画とでは多少世界の勢力図などが異なりますが、大きくは映画ではトルメキア王国VSペジテの対決に風の谷が巻き込まれることに対して、原作はトルメキア王国VS土鬼(ドルク)の対戦に風の谷が巻き込まれていくといった構成になっています。

どちらにせよ風の谷は巻き込まれていくのですが、そもそもこの世界は1000年前の「火の七日間」を起こした後、旧世界の人間たちは腐海を作り出して世界を完全に浄化したあと、火の七日間によって絶滅に瀕した動植物や科学文明勃興以前の文化を復活させるとともに、穏やかで賢い新人類をこの世に生み出し、世界を再建することを目的としていたのだ。

「火の七日間」に巨神兵が7日間で世界の文明を破壊し、人が住めない環境となり、その時に猛毒を出す腐海ができたといわれていますが、実際は火の七日間で世界中に散らばった有毒物質を浄化するために腐海ができ、王蟲(オーム)等の死体を苗床として腐海はどんどん広がり、世界の浄化を進めていくが、その間人間の住めない環境になると困るために多少の悪環境でも生きていける人類として改良されたのがナウシカたちである人工種である。

そのため世界が完全に浄化された場合はその空気環境では生きていくことができない体となっています。

ナウシカは生まれたばかりの巨神兵の母となり、旧人類のメインコンピュータである「墓所」と呼ばれる施設に行き、清浄のみを追求し一切の汚濁を認めない旧文明の計画に反発、これを否定し、全てを火にかけて破壊し、全ての真実を誰にも言わず胸に秘め、土鬼の地に留まり土鬼の民と共に生きていった、あるいは、森の人の元へと去ったとも言い伝えられたという

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